トタンの壁

音録りの旅に出かけた3日間。低層の古い建物がいたるところに建ち並び、道を押し狭めたような密集具合が現実を超えそうな勢いの立体感を知らず知らずのうちにつくってしまった街、向島。3日間ずっと歩いてた。とにかく歩いて、歩いて、歩きまくる。そして録音する。相当たくさんの建物や路地に出会って、3日目になると初日のドキドキも次第に薄れてゆき、何を録ろうとしていたのかわからなくなった。変な話だが、じぶんがどこにいるかもわからない迷路のような路地にだんだん慣れてきて、迷うことが当たり前の無数の路地に入ることのドキドキ感が少し変わったような気がする。まとまらないけど、そんな感じ。
写真を撮りたくて仕方なかったけど、今回は録音と覚悟を決めていたので、歩き回るときは持っていかなかった。写真はまた別の機会に撮ることにする。とかいってケイタイで多少写真を撮った。
ちなみに、古い建物を見て懐かしいとか怖いとか幽霊が出そうとか、単純にそう思うのはどうかと思う。