建設中

杉並区を通る環○通りからちょっと入ったところに大きな公園がある。以前は工場があったところで、何年もの間高い塀で囲まれて放置されていた。2年前くらいからそのスペースの一部が公園として開放されている。数百メートル四方のその公園は相当広い、というか広く感じる。公園というよりかは広場といったほうが似合う。広場はほとんど放置状態に近く草が生え放題で、もうしわけない程度のベンチと簡易トイレがあるくらいだ。
公園になる以前、数年前に初めて見たときは、住宅が密集する都内に突然現われたような感覚をおぼえるその巨大スペースに強く惹きつけられた。それ以来たまにふらふらと散歩で出かけたりする場所なんだけど、先日そこにいったら公園の塀の向こう側で巨大なビルの建築が行われていた。公園もでかいけど、ビルもでかい、しかも何棟も同時に建築が進んでいる。またいつものアレ、あの感覚に突き動かされて公園とビルの周辺をぐるぐる歩き回ると、どうやらそこには巨大なマンションができることが判明。かなりの規模だ。マンションのテーマは公園(緑)があるマンション。自然環境と居住空間の融合。万博とかでも謳ってるように、最近流行りのやつ。
本当は全然似てないけど、建設中のその建物は、以前写真で見た取り壊し寸前の九龍城を思わせるものがあった。暗くなってからは、屋上の作業灯がぼんやりと輝いていてやたらと目立ってた。
因みにその原っぱのほうは、入り口のところにあった看板によると、この公園は防災公園整備?がはじまるまで、暫定的に皆さんに公開するものです、とかかいてあった。よくわからんけど、この公園はいつかはこの形ではなくなります、ということらしい、どんな場所でもいつかはなくなるものだろうけど、予告されているとなんだか変な感じがする。あそこで走り回ったり、散歩したり、ボール投げたりして遊んでる人がそのことを知ったらどういう気持ちになるんだろう。
いつかはなくなる公園。井の頭公園とか都内にいくつかある大きな公園のように芝を張って整えるのは悪くはないけど、今の無造作な状態のままでもいいのに、とか思った。