bjorkの新しいアルバムはほとんど(全て?)の音が人間の声で構成されているらしい。
音楽チャンネルでその製作過程のドキュメンタリーが放送されていたからボーっとしながら観てた。ヴォーカルはもちろん、メロディ・うわものの音からベースの音からパーカッションの音まで、人間の声で作る。そして録音された音をEQやエフェクトで加工してイメージに近づけてゆく、もしくは想像以上の音を作り出すという作業の様子が映像に収められていた。オリンピックの時の曲もそうやって作ったみたい。
ビョークだったかエンジニアだかが言ってたことは、楽器からサンプリングした音はわりとかっちりしているけれども、人間の声から作り出した音はさすが人の声だけあって常に違う音になる、いつも同じようにはいかない、それが楽器のサンプリングからは絶対に作り出せないんだ、というようなことだった。もっともらしい意見だ。
でも、元々は人の声で楽器を真似て出した音が加工されてより楽器っぽく、と聞くと、すばらしいというか自分には無駄な作業のように思える、声を無理矢理加工して楽器に近づけるなら楽器使ったほうがいいんじゃないのか、とか思ってしまう。でもどんなに近づけてもそれは別モノ、近づければ近づけるほど違いが味になるってことなんだろう、きっと。原音をわざわざ楽器に近づけることで引き出すというやり方にどうも納得できないけど、かなり興味をそそられる音だ。楽器に近づけるという言い方の印象が悪いだけかな、トラックメーカーは何気に生音を加工して作ってたりするらしいけど、全然気にならないし…。以前友達に聞かせてもらった曲で、卓球してるカコンカコンっていう音が、だんだんとリズムが一定になってきてそれが他の音と合わさっていって心地よいリズムを刻むまでに変化していくというすさまじいものがあったのを思い出す。あれは誰だったんだろう、また聴きたいな。
ビョークは機械でシーケンスを組んでるのかどうかも気になる。全て人力だったらますますおもしろそう。あと、番組では歌うことについてもいろいろ言っていた。あの人ほど自由に歌えるってほんとすごい、魂だ、宇宙だ。