青森はきたぐに

本州最北の青森県に5日間ほど撮影で滞在した。後半はどたばたしてて昼間は全然ゆっくり出来なかったものの、昨年の夏に引き続き、またもや七戸を中心とした青森を味わうことが出来た。普段雪の降らない土地に住んでいるので、むこうでの生活はものすごく大変そうだと思った。車がないと移動するのも一大事だ。当然のように雪が降っては積もり、毎朝のように除雪車が稼動する。国道沿いにあったパチンコ屋のやたらとでかい駐車場の脇には除雪した雪が5.6mくらいの山を作ってたり、農家の小屋が雪の重みで崩れ落ちたりしている光景をみた。雪の多い山沿いの農家のほうでは除雪車かブルドーザーを一家に一台当然のようにもってるそうだ。たしかに重機率は相当高かった。
現地出身の監督の話をきいて笑ったのは、この季節の天気予報はだいたい曇り時々雪で降雪確率は30〜40%とかそれぐらいというどうとでも取れるような天気で、毎日それに近い天気がホントに続くということ。雪が降って風が吹いて吹雪いてるかと思ったら次の瞬間には太陽が顔を出し、天気が良くなったかと思ったらまたすぐに空が真っ白になってでかい雪が落ちてくる。朝になると屋根のないところはだいたい雪の粉がきれいにまぶされてるというわけだ。
木に積もった雪は重みでばさっと落ちてくるのだが、それが美しい。落ちる雪は風で舞い、ふわっとしているのがたまらない。晴れてるときは特にそれがきれいだ。
開けた田園は雪原に姿を変えていて、その向こうの森のあたりで雪が舞ってるのをみてきれいだな〜なんていってると、雪を飛ばした風はだんだんこっちにやってくる、もちろん飛ばした雪も連れて。雪原の表層の雪も一緒に巻き上げて、見ている僕らがいる場所にその風が届くと、凍りかけた粉がぱちぱちと顔にあたってものすごく冷たくて痛いのだが、地面からくる雪が吹雪くことを地吹雪と言うらしい。あれは辛い、晴れてるときはちょっときらきらしててまだ許したくなるけど、雪が降ってるときに地吹雪がくると周りが何も見えなくなる。撮影中にその瞬間に出くわせてひそかに感激してしまった、寒かったけど。-----------青森日記 続く。
ロケハンでカメ位置探ってるとこを2枚